ジキルにとって多摩川女子戦は「2コースが主役の水面」
多摩川は、日本一静かな水面を誇る淡水の競艇場です。2025年のイン逃げ率は52.8%で、24場中17位。真ん中より下です。
ジキルが見てきた多摩川女子戦は、1コースが強いというより、2コースが動く水面です。握って捲るのか、差すのか。この選択が、レースの形を決めます。だから、ジキルにとっての多摩川は「2コースの水面」です。
なぜそう感じるのか。それは、レイアウトが「握って回りやすい」形をしているからです。
水面の基礎は「入口が狭く、先が広い構造」
多摩川は淡水で、潮汐の影響はありません。防風林が整備されていて、風の影響も少ない。淡水は一般的に固くて波立つと言われますが、多摩川は選手が「握りやすくて、曲がりやすい」と感じる水面です。

同じ淡水で、プール型の尼崎と並べてみます。
| 多摩川 | 尼崎 | |
|---|---|---|
| スタートライン | 56m | 55.9m |
| 1マーク入口 | 41m | 49.1m |
| 1マーク出口 | 87m | 73m |
| バックストレート | 108m | 87m |
| 振り幅 | 15m | 6.8m |
※振り幅は、スタートライン幅から1マーク入口幅を引いた差です。
入口が狭いと、艇間が詰まって捲りやすくなります。そして、出口とバックが広いと、曲がった先でスピードを落とさずに回れます。車でも他の競技でも同じです。入口は狭く、出た先は広い。握って回りやすい形です。
戸田も振り幅が大きく、1コースは斜めに走らざるを得ません。ただ、戸田は握らざるを得ない形で、多摩川は握りやすい形です。ここが違います。
イン逃げ率

出典:ボートレース場ごとのコース特性や数値は、ボートレース公式データ(BOAT RACEオフィシャルサイト)を参照し、筆者が作成しています。
女子戦に限ると、1コースの1着率は50.2%。混合のイン逃げ率52.8%より、2.6ポイント低くなります。同じ集計の下関女子戦は4.3ポイント低かったので、多摩川は女子戦でも、インが大きくは崩れない水面です。
※2024年6月〜2026年6月 オールレディース・ヴィーナスシリーズ限定(全283レース)
多摩川 女子戦 決まり手分類表
| コース | 1着数 | 1着率 | 逃げ | 差し | まくり | まくり差し | 抜き | 恵まれ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1コース | 142 | 50.2% | 132 | 0 | 0 | 0 | 9 | 1 |
| 2コース | 59 | 20.8% | 0 | 28 | 26 | 0 | 5 | 0 |
| 3コース | 30 | 10.6% | 0 | 2 | 17 | 9 | 2 | 0 |
| 4コース | 35 | 12.4% | 0 | 4 | 18 | 11 | 2 | 0 |
| 5コース | 10 | 3.5% | 0 | 1 | 3 | 4 | 2 | 0 |
| 6コース | 7 | 2.5% | 0 | 4 | 1 | 2 | 0 | 0 |
ジキル式:2コースが「握るか、差すか」が、多摩川女子戦の肝
2コースが握る可能性がある。握ることが多い。影響を受けるのは1コース、次に3コースです。
ただ、数字で確かめると、ジキルのイメージは半分でした。2コースは、差しが28回、まくりが26回。ほぼ拮抗しています。握る水面というより、握るか差すかの二択になる水面です。
3コースは、2コースが何を選ぶのか分からないので、一度見る必要があります。2コースの選択を見てから判断しないと、握ったときに弾かれます。だから、3コースが一歩遅れる1マークになります。この判断が遅れる3コースはもう一つのポイントで、2コースより先に握るかどうかも選手特徴で見極める必要があります。
データで見る多摩川女子戦
- 1コースは、1着142回のうち、逃げが132回。 勝つときは、ほぼ逃げです。
- 2コースは、差し28回、まくり26回。 下関(差し22回・まくり8回)と比べると、まくりが3倍以上です。
- 3コースはまくり17回、4コースはまくり18回。 センター勢は、握って捲りにいきます。1着率は、4コース(12.4%)が3コース(10.6%)より高い。
- 5コースは、1着10回に対して3着が52回。 1着を狙うコースというより、3着に絡むコースです。
- 決まり手全体では、逃げ132、まくり65、差し39、まくり差し26。 まくりは、差しの約1.7倍です。
2コースと3コースの成績
※2024年6月〜2026年6月 オールレディース・ヴィーナスシリーズ限定(全283レース)
多摩川 女子戦 コース別成績
| コース | 1着 | 2着 | 3着 | 出走 | 2連対率 | 3連対率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1コース | 142 | 49 | 35 | 280 | 68.2% | 80.7% |
| 2コース | 59 | 64 | 51 | 280 | 43.9% | 62.1% |
| 3コース | 30 | 76 | 61 | 279 | 38.0% | 59.9% |
| 4コース | 35 | 40 | 51 | 280 | 26.8% | 45.0% |
| 5コース | 10 | 36 | 52 | 278 | 16.5% | 35.3% |
| 6コース | 7 | 18 | 32 | 271 | 9.2% | 21.0% |
2コースの2連対率は43.9%で、1コースに次ぐ2番目です。
もう一つ、目を引くのが3コースです。1着は30回なのに、2着が76回。全コースで一番多い。 2コースが動くのを見てから動く3コースは、1着より、2着に収まることが多い。ジキルの見立てと合う数字ですが、断言はしません。握れる3コースが残りやすくなるのは、2コースの選択待ち、握りやすい水面という2つの特徴からうなづける数値化と思います。
女子戦の楽しみ方
多摩川女子戦を予想するときは、次の3つに絞って見ます。
- 2コースは、握るのか、差すのか。
選手の特徴と、風向と風速、展示のスリットから読みます。 - スタートが決まるか。
手前のコースよりスリットで先行できなければ、握りにくくなります。静水面なので、地元の理はあまりありません。 - 3コースと4コースが、2コースの動きを見てから動けるか。
待てる3コースは2着に、カドの4コースは捲りにいきます。
東京支部の女子レーサーたち
多摩川は東京支部に属しています。女子レーサーがとても多く所属していて、顔ぶれも入れ替わります。
最新の登録は、下のリンクからご確認ください。
ボートレース多摩川オフィシャルサイト
ジキル:女子ボートレーサー名鑑

まとめとして多摩川女子戦は「2コースを読む」水面
多摩川は、淡水で静かな、握って回りやすい水面です。1コースは女子戦でも50.2%と強く、逃げが基本。そのうえで、2コースが握るのか、差すのかで展開が変わります。
決め手は、選手の特徴と、風向と風速です。そして、2コースを見てから動く3コース、カドから捲る4コースまで読めたら、多摩川を攻略したと言えるでしょう。
参考資料:24場レイアウト比較表
※全24場レイアウト比較
| 競艇場 | 水質 | スタートライン幅(m) | 第1TM入口幅(m) | 振り幅(m) | 2025年逃げ率 | 潮汐の影響 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 桐生 | 淡水 | 57.5 | 47.0 | 10.5 | 49.8% | なし |
| 戸田 | 淡水 | 50.0 | 37.0 | 13.0 | 44.5% | なし |
| 江戸川 | 海水 | 58.2 | 37.1 | 21.1 | 48.1% | 大 |
| 平和島 | 海水 | 49.0 | 37.0 | 12.0 | 47.3% | 中 |
| ▶ 多摩川 | 淡水 | 56.0 | 41.0 | 15.0 | 52.8% | なし |
| 浜名湖 | 汽水 | 59.0 | 42.7 | 16.3 | 52.6% | 小 |
| 蒲郡 | 汽水 | 57.0 | 41.3 | 15.7 | 58.6% | なし |
| 常滑 | 海水 | 57.0 | 40.0 | 17.0 | 58.4% | なし |
| 津 | 海水 | 55.0 | 40.0 | 15.0 | 57.3% | なし |
| 三国 | 淡水 | 62.0 | 45.0 | 17.0 | 53.8% | なし |
| びわこ | 淡水 | 59.0 | 47.0 | 12.0 | 52.3% | 小 |
| 住之江 | 淡水 | 51.0 | 45.0 | 6.0 | 58.8% | なし |
| 尼崎 | 淡水 | 55.9 | 49.1 | 6.8 | 58.7% | なし |
| 鳴門 | 海水 | 55.0 | 45.0 | 10.0 | 46.9% | 大 |
| 丸亀 | 海水 | 58.5 | 42.0 | 16.5 | 57.4% | 大 |
| 児島 | 海水 | 59.0 | 43.0 | 16.0 | 56.9% | 中 |
| 宮島 | 海水 | 55.0 | 40.0 | 15.0 | 56.8% | 大 |
| 徳山 | 海水 | 60.0 | 45.0 | 15.0 | 63.7% | 中 |
| 下関 | 海水 | 50.0 | 43.0 | 7.0 | 62.3% | 中 |
| 若松 | 海水 | 50.0 | 41.0 | 9.0 | 57.6% | 大 |
| 芦屋 | 淡水 | 55.0 | 50.0 | 5.0 | 58.1% | 小 |
| 福岡 | 海水 | 63.8 | 50.0 | 13.8 | 58.4% | 大 |
| からつ | 淡水 | 55.0 | 42.0 | 13.0 | 55.5% | なし |
| 大村 | 海水 | 58.0 | 48.0 | 10.0 | 63.0% | 小 |
出典:ボートレース公式データ(BOAT RACEオフィシャルサイト)等の公開資料に基づき、筆者が独自に集計・作成。
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