【桐生・女子戦】標高の高い硬い水×「出足」=桐生女子戦の構造とは?

桐生特徴と女子戦アイキャッチ画像
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ジキルにとって桐生女子戦は「スタートに届かない選手を探す水面」

桐生女子戦は、1コースを半分だけ信頼して、残りを2・3・4コースで読む水面です。

女子戦の1コース1着率は49.8%(143勝)で、1着の半分を少し割っています。1コース以外の1着は144回あり、そのうち124回(約86%)を2コース・3コース・4コースが分け合っています。中でも4コースのまくりが27回と最多でした。

この背景には、標高の高さがあります。気圧が低くなってエンジンの出力が落ち、出足に影響が出ます。助走距離の短いスロー勢は、いつもと同じ起こしではスタートに届かなくなります。そのため桐生では、良い選手を探すよりも、スタートに届かない選手を消していくことが、予想の第一歩になります。

水面の基礎は「淡水の硬い水」と「標高の高さ」

桐生競艇場は、阿佐美沼を利用した淡水の競走水面です。海水より浮力が小さく、水が硬いため、艇が跳ねてバタつきやすい水面と言われています。展示では、まずこのバタつきを確認したいところです。

桐生の最大の特徴は、標高が高いことです。気圧が低く、モーターの回転が上がりにくいため、パワーや出足が弱くなります。ボートレース公式サイトの紹介文でも、標高が高く、モーターのパワーと出足は弱めと説明されています。

ここで、この記事で使う言葉を整理しておきます。出足は加速、行き足は中間の速さ、伸び足は最高速のことです。出足・行き足・回り足は、エンジンの素性が表れやすい部分です。伸び足は、ペラ調整など選手の意図で作られる面が大きいため、ジキルはあまり重視していません。ただ、本当に伸びが良いエンジンもあるので、伸びを否定するわけではありません。

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ジキル式:出足が落ちると、スロー勢は「スタートに届かない」

助走距離の短いスロー勢は、出足が弱いと、いつもと同じ起こしではスタートに届きません。起きる現象は、スタートタイミングが遅れることです。レーサーが持つ起こし位置のままでは、自分が思うスタートよりも遅れてしまいます。

届いているかどうかは、全速で行けているかで判断します。スタートタイミングが早くても、スリット後に他の艇に除かれているなら、スタートを合わせただけで、届いていないと見ます。慎重に行った割に、スリット後も出ていかないのは行き足が弱いエンジンで、競艇では劣勢になることが多いからです。

この流れは、ジキルの見立てです。スロー勢が遅れた場面でのスタートタイミングの集計は、まだ行っていません。

ジキル式:追い風の強さと、向かい風の狙い方

桐生は、冬から春にかけて「赤城おろし」と呼ばれる強い追い風が吹きます。公式サイトでも、冬から春は水面が荒れやすく、夏場は穏やかでまくりが効くと紹介されています。また、桐生は通年ナイター開催のため、日没の前後で気温が下がり、モーターの調整が難しくなります。

追い風は、強さによって意味が変わります。緩い追い風なら、スロー勢の鈍い出足を補えるため、インは逃げるイメージが強くなります。ところが強くなると、今度はスタートが難しくなります。追い風主体になると、フライング持ちなどはスタートに行きにくくなり、慎重になります。

目安は、追い風3m以下は気にせず、4〜5mは慎重に、6m以上は見送りです。このスタートを読み切れるのは、地元の選手と、桐生の水面に合わせた調整ができる選手です。

なお、追い風だから差しが有利になる、とはなっていません。出足がなく加速が鈍いため、差しは入りにくいと考えています。一方で、向かい風なら狙います。狙うのは、センターの捲りと、展開を突く5コースの捲り差しです。買い目は増えますが、それが桐生の向かい風の狙い方です。

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レイアウトの特徴

下の図は、桐生のコースレイアウトです。

ボートレース桐生のコースレイアウト図。ピットから第2ターンマークまで165m、第1ターンマークと第2ターンマーク間は300m、スタートライン側の幅は57.5mと示されている。
引用元:ボートレースオフィシャルサイト

「振り幅」とは、スタートライン幅と第1ターンマーク入口幅の差のことです。桐生は、スタートライン幅が57.5mで、第1ターンマーク入口幅が47.0mなので、振り幅は10.5mです。住之江の6m、若松の9mよりは大きく、全国で突出した数字ではありません。レイアウトだけが、1コースの苦戦の理由とは言えないと考えています。

むしろ目立つのは、ピットから第2ターンマークまでの距離が165mと長いことです。コースを取りに行く距離が長く、進入が枠なりになりにくい水面です。展示では、進入の隊形を必ず確認してください。

イン逃げ率とコース別成績が示す「桐生の真実」

2025年男女混合のイン逃げ率

2025年の全レース(男女混合)における桐生のイン逃げ率は49.8%で、全国24場中20位です。50%を切っているのは、桐生・江戸川・平和島・鳴門・戸田の5場で、桐生はもともと1コースが逃げにくい水面と言えます。

2025年ボートレース場別イン逃げ率のランキンググラフ画像。1位の徳山(63.70%)から24位の戸田(44.50%)までを横棒グラフで表示。桐生は20位で49.80%。上位の徳山・大村・下関はゴールド、50%超はブルー、50%未満の桐生・江戸川・平和島・鳴門・戸田はレッドで色分けされ、水面の特性が視覚的にわかるデザイン。

出典:ボートレース場ごとのコース特性や数値は、ボートレース公式データ(BOAT RACEオフィシャルサイト)を参照し、筆者が作成しています。

2024年6月〜2026年6月の女子戦決まり手データ

私が集計した2024年6月〜2026年6月の女子戦(全287レース)のデータを見ていきます。

桐生 女子戦のコース別成績と決まり手の表(2024年6月〜2026年6月)。1コース1着率49.8%、4コース15.0%、2コース14.3%、3コース13.9%、5コース5.2%、6コース1.7%。

まず1コースです。1着率は49.8%(143勝)で、決まり手は「逃げ」が137回でした。逃げだけで数えると47.7%です。男女混合のイン逃げ率49.8%と比べると、逃げ率で約2ポイント低い数字になります。住之江のように男女で大きな差が出る水面ではなく、桐生は男女どちらでも1コースが苦しい水面です。連対率は66.9%、3連対率は78.5%でした。

1着を逃したときの崩れ方も見ておきます。1着を逃した141走のうち、2着か3着に残ったのは80走で、約57%です。1コースが負けたとき、6割近くが残る計算になります。

次に2コースです。1着率は14.3%(41勝)で、決まり手は「差し」が23回、「まくり」が15回でした。差しが上回ります。2着は68回で、2連対率は38.4%です。

3コースの1着率は13.9%(40勝)です。決まり手は「まくり」が22回、「まくり差し」が7回、「差し」が6回、「抜き」が5回でした。3コースの1着の約7割が、まくり系で決まっています。そして2着は70回で、全コースで最も多い数字です。

4コースの1着率は15.0%(43勝)で、1コース以外では最多です。決まり手は「まくり」が27回で、4コースの1着の約63%を占めます。「まくり差し」は6回、「差し」は7回でした。

5コースの1着率は5.2%(15勝)です。一方で、2着が48回、3着が50回あり、3連対率は39.6%でした。6コースの1着は5勝にとどまり、3着が40回ありました。

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5コースの「絡み」の正体

ジキルは以前、桐生に「奇数艇ボックス、5コース頭もある」という印象を持っていました。ところがデータでは、5コースの1着は287レース中15回です。印象とは違う結果でした。

5コースの価値は、1着ではなく2着・3着にあります。2着と3着を合わせると98回で、5コースは頭よりも、ヒモとして考える水面です。ただ、1着が決まるときは、15回のうち13回がまくり系でした。まくり差しが9回、まくりが4回で、展開を突く捲り差しが5コースの形です。5コースの1着狙いは、この形が見えるときや、選手の腕や足がはっきり良い場合に限ったほうが良いと考えています。

桐生の決まり手の構造

1コース以外の1着144回のうち、「まくり」が69回、「まくり差し」が25回で、合わせて94回(約65%)です。「差し」は37回(約26%)でした。

差しの内訳を見ると、2コースが23回、4コースが7回、6コースが1回で、偶数艇だけで31回です。ただ、差しは1コース以外の1着の約26%にとどまり、主役はまくり系です。出足が弱く加速が鈍い桐生では、差しが通用するのは腕のある選手だけだと考えています。

3コースの1着40回のうち、まくりは22回(55%)で、過半数を占めます。まくり差しの7回(約18%)を大きく上回っており、女子戦の3コースは「握って攻める」選手が多いというジキルの見立てと、データの方向は合っています。

4コースは、1着43回のうちまくりが27回(約63%)です。まくり差しの6回を大きく上回っており、桐生の4コースは、他艇の展開を待たずに自分でまくりに行ける水面だと考えています。

ジキル式:2枚の壁が同時に遅れる場面

ジキルが桐生で一番嫌になる場面は、1コースの逃げを自信を持って予想したのに、2コースと3コースの2枚の壁が同時にスタートで遅れて、4コースから捲られる形です。

4コースのまくり27回のうち、2コースと3コースが遅れていた回数は、まだ確認できていません。ただ、桐生の水面と、出足が落ちる仕組みを考えると、起きやすい形だと考えています。

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女子戦の予想の軸は「展示で確認する3つのポイント」

桐生女子戦は、展示で次の3つを確認することが予想の軸になります。

  1. 進入:ピット離れが良い艇や前づけの動きがあるかを確認します。枠なりにならない前提で見てください
  2. スタートに届いているか:全速で行けているか、スリット後に他の艇に除かれていないかを確認します
  3. 2コースと3コースが一緒に遅れていないか:展示で一緒に遅れたり、一緒にフライングしたりしたは、どちらかの選手が合わせている可能性を疑います

ジキル式:良い選手より、悪い選手を探す

桐生では、行き足の良いエンジンから狙う考えは変わりません。ただ、実際の予想では、スタートに届かない選手を消していく作業が中心になります。

消す材料は、スリット後も出ていかない、展示で一緒に遅れている、といった点です。自分のタイミングでスタートに行かない選手も、誰とは言い切れませんが、疑うようにしています。

ジキル式:見た目と、前日のレースの「同じ気象条件」

桐生で、ジキルが数値を重視するのは展示タイムだけです。半周タイムなどは、あまり気にしていません。それよりも、見た目を重視します。

スタートに届くかどうかは、展示と前日のレースで判断します。前日のレースを、同じ気象条件で見ます。見る気象条件は、風向、風速、天候、気温の4つです。桐生は潮汐がないため、この4つを定点観測のように見ておけば、同じ条件ならスタートを決められるか、事前に予想しやすくなります。直前は、展示が一番の材料です。

ジキル式:地元とペラ調整

桐生では、地元の群馬支部の選手が強いと考えています。理由は、整備よりもペラ調整にあるかもしれません。ペラの形も、持っているゲージ(ペラの形を決める道具)も、選手ごとに違います。地元の選手はゲージをいくつも持っていて、選手間や師弟関係で教えてもらえます。この調整で、出足を引き出しているのだと思います。ほかに、スタート勘の良さも、地元の強みです。

気になる選手は、ジキルの女子レーサー名鑑で確認してください。モーターの交換は、例年12月です。今年も12月頃と考えられ、交換前の秋は、モーターの優劣がはっきりしている時期です。

ジキル式:風が強い日は「見る勇気」

追い風が4〜5mの日は慎重に、6m以上の日は、スタートが揃うか分からないため見送ります。これは桐生に限らず、どの競艇場でも同じです。ただ、追い風4m以上のレースは、桐生では特に慎重になっています。

進入が乱れそうで、スタートに届かない選手が複数いて、さらに強風という条件が重なったときは、そのレースを買わないという選択も大切です。「そのレースを買う必要が本当にあるか」を考えることが、桐生では特に大事になります。

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最後に「水面とデータが導く桐生女子戦のセオリー」

桐生女子戦を攻略する鍵は、「1コースが逃げる」という前提を一度外し、スタートに届かない選手を消すことです。男女混合のイン逃げ率は49.8%で全国20位、女子戦の1コースは1着率49.8%、逃げだけで数えると47.7%でした。

1コース以外の1着は、2コース・3コース・4コースにほぼ均等に分かれています。中でも4コースのまくり(27回)が最多で、3コースのまくりと2コースの差しが続きます。差しが通用するのは腕のある選手で、5コースは1着よりも、2着・3着での絡みが目立ちました。

標高が高く、出足が落ちる水面だからこそ、展示で、進入、スタートに届いているか、2コースと3コースが一緒に遅れていないかを確認してください。追い風が4〜5mなら慎重に、6m以上なら見送る。最終的にどの買い目を選ぶかを決めるのは、あなた自身です。

参考:桐生ボートレース場(BOAT RACEオフィシャルサイト)

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