2021年、競艇のファンが急に増えた。
コロナ禍で、自宅で楽しめる娯楽として競艇に注目が集まった時期だった。当時、SNSには「競艇を始めてみた」という声が増え、同時に、こんな声も増えていった。
「競艇って、何を見て予想すればいいのか分からない」
これは、初心者なら誰もが最初にぶつかる壁だ。
「分からないから人に頼る」が一番危ない
競艇は、全国24場で、約1,600人のレーサーが走っている。初めて出走表を開いた人が、その情報量を前に立ちすくむのは当然のことだ。
そして、分からないものを前にしたとき、人はよく「分かっている人」に頼ろうとする。競艇でいえば、それが有料予想だ。
当時、自分の身近で、実際にこの流れに巻き込まれた人がいた。有料予想を信じて舟券を買い続け、資金を失っていく過程を、近くで見ていた。
「投資」という言葉を使い、まるで資金が増えていくかのような見せ方をする予想サービスは、今も少なくない。分からないまま大きな金額を賭け始め、資金が尽きたところで終わる。これが、一番よくあるパターンだ。
この記事は、そうなってほしくない、という思いから書いている。
自分で予想できるようになるための「絞り込み」
競艇を自分の力で楽しむために必要なのは、難しい知識ではない。まず「対象を絞る」ことだ。
具体的には、次の3つを絞ることから始まる。
- レーサーを覚える 1,600人全員を覚えるのは現実的ではない。誰が、どんな走りをするのかを知っているレーサーを増やしていくことが、予想の土台になる。
- 開催会場を絞る 日によって複数の場が開催されている。あちこちに手を出すと、レースに「参加している」のではなく「参加させられている」状態になりやすい。
- 番組を選ぶ すべてのレースを当てにいく必要はない。「1着を当てられそうな番組」を選ぶ方が、結果的に的中率も納得感も上がる。
この3つを実践しやすい場所として、たどり着いたのが「女子戦」だった。
なぜ「女子戦」だったのか
女子レーサーは、男子レーサーを含めた全体に比べて人数が少ない。覚える対象として現実的な数だ。
会場も、基本的には同じ時期に1場のみで開催される。複数の場を行き来する必要がなく、自然と「この場の女子戦」という形で絞り込みができる。
番組も同様だ。その日に組まれている女子戦のレースの中から、狙うレースを選べばいい。最初から、絞り込まれた状態でスタートできる。
ただし、デメリットもある。女子戦は全国24場すべてで開催されるため、結局は24場それぞれの特徴を把握していく必要がある。本来であれば「1人のレーサーを追いかける」「1つの場に絞る」方が理想的だとは思う。それでも、何も分からない状態から予想を始めるための「最初の一歩」としては、女子戦は十分に機能する。
「女子戦は難しい」という声を聞くことがある。だがそれは、男子戦や混合戦と比較した経験があるからこそ出てくる感想だ。比較対象を持たずに女子戦から始めれば、そもそも「難しい」という感覚自体が生まれにくい。また、筆者は「女子戦は難しい」ではなく、「女子戦も難しい」と考えている。すなわち、ギャンブルに簡単は存在しないということだ。
女子戦が好きだったわけではなかった
正直に書く。最初から女子戦が好きだったわけではない。むしろ、避けていた。
競艇そのものが好きで、グレードも会場も問わず、気になったレースには参加してきた。SGは今でも一番おもしろいと思っている。
それでも、競艇に使える時間は限られている。新しく増えた初心者層に、何か伝えられることはないかと考えたとき、行き着いたのが「絞り込みの提案」であり、その実践の場として女子戦の情報を発信することだった。続けるうちに、発信する情報は自然と女子戦に偏っていった。
つまり、女子戦が好きだから勧めたのではない。競艇を自分の力で楽しめる人を増やしたくて、その入口として女子戦を選んだ。今もその感覚は変わっていない。
読者との約束
2021年から、変えていない約束がある。
- 舟券の配分は提案しない
- 購入画像は公開しない
- 的中画像は公開しない
購入額や的中額の公開は、見る人の射幸心を煽りやすい。「こんなに勝てるのか」という錯覚を生む材料にもなる。それは、この記事の出発点にある「予想屋に依存させない」という思いと矛盾する。
このサイトの基本コンテンツは、すべて無料で公開している。「この番組なら、こう展開して、こう買う」という考え方を共有することはあっても、「この通りに買ってください」と言うことはない。最後に決めるのは、いつも読んでいる本人だ。
それから5年、女子戦は変わった
あの提案が女子戦の人気を作った、とは思っていない。それでも、ここ数年、名鑑をきっかけに「この選手が気になった」「女子戦を好きになった」と声をかけてもらうことが何度もあった。
同じ時期、女子戦というカテゴリ自体も、大きく成長した。
年末の女子王座決定戦「クイーンズクライマックス」の売上は、2019年(住之江)の約194億円から、2024年(蒲郡)には約223億円、2025年(大村)には約245億円と、年々記録を更新している。
一般戦・G3クラスでも、同じ傾向が見える。女子戦が組まれていた場の売上が、同日開催の他場を上回るケースも珍しくない。今や女子戦は、一部のファンだけが追いかけるニッチな存在ではなくなっている。
あの頃の提案がこの流れを作ったわけではない。それでも、当時伝えた「絞り込みの入口」が、誰かにとって女子戦を好きになるきっかけの一つになっていたのなら、それで十分だと思っている。
女子戦には、どんなレースがあるのか
女子戦には、男子戦・混合戦と同じように、グレードに応じたタイトル戦が存在する。年末の「クイーンズクライマックス」をはじめ、「レディースチャンピオン」「スピードクイーンメモリアル」といったプレミアムG1や、「レディースオールスター」「オールレディース」「ヴィーナスシリーズ」などのG2・G3も、年間を通して各地で開催されている。
それぞれの大会の特徴や出場条件は、別記事で詳しく整理している。まずは「女子戦にもこれだけのタイトル戦があるのか」ということだけ、頭の片隅に置いてもらえれば十分だ。
ここから先に進むなら
「絞り込む」という考え方に共感してもらえたなら、次にできることはいくつかある。
まずはレーサーを知ることから始めたい方へ
190人以上の女子レーサーの特徴をまとめた名鑑がある。気になった選手から覚えていくだけでいい。

会場ごとの傾向を知りたい方へ
全国24場それぞれの女子戦の決まり手や展開傾向を、場別にまとめている。

自分なりの予想の物差しを持ちたい方へ
モーターの評価軸や展示の見方など、自分の頭で予想を組み立てるための考え方をまとめている。


最後に
競艇は、負けることの方が多い。それを前提にした上で、長く楽しんでほしいと思っている。
誰かの予想に乗っているだけでは、その感覚は身につかない。自分で考え、自分で納得した上で外れる経験を重ねることでしか、競艇は本当の意味で楽しめるようにならない。
「競艇を長く楽しむコツは、自分で予想をすること」
このサイトが、その手助けになれば、それでいい。
免責事項
本サイトに掲載する予想・分析・理論は、的中または結果を保証するものではありません。提供する情報はご自身の判断を補完するための参考材料であり、舟券購入を含む最終的な意思決定はご自身の責任においてお願いします。
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ボートレースの健全な楽しみ方について
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